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じいちゃんは星☆

じいちゃんはよく『鉄は生きとるんやぞぉ』と話してくれました。
ある日じいちゃんが経営していた工場に行った時にその事が理解できた。鉄が火を含んで赤くなっているのを、曲げたりしてカタチを形成していた。

『あぁー、じぃちゃんそうゆうことやったんや!』
身体中の肌のしわに鉄が入り込んで洗っても取れないぐらいに鉄を愛し続けた証拠が身体に刻まれていた。

こんな鉄が好きなじぃちゃんでも、手が白くなってきたときは88歳になっていた。急に言葉を失い話せなくなり、夜中に突然出て行ったり、道の真ん中で倒れていたり…
じぃちゃんは私のことをもう認識できなくなっていました。

でも自分の故郷のことは忘れていなくて
『かごんまに行きたい?』と聞くとこの時だけはうなずいてくれるので鹿児島に帰りました。

鹿児島に来たところで認識できていたかどうかわからないけど連れていってあげてよかった、と今は思います。

この夜に不思議なことが起こったのです。
夜中に外にでたがるじぃちゃんでしたがこの日はホテルのベランダに立っていたので危ない!と思い起き上がってじぃちゃんのほうへ猛ダッシュ。
『じぃちゃん、中入ろう』と声をかけた時、
まるで夢なのかわからなくなるくらい目の前に星屑が広がっていて、

『うわぁ、綺麗』と言うと

『きょうちゃん、綺麗やろぉ』

と一文、言葉を発してくれたのです。
(え!じぃちゃん話せた!)とか星が綺麗のとか頭が混乱して、なんて返答したか憶えていなくてどのくらいそこに居たのかわからないけど、じぃちゃんとその綺麗な星を眺めていました。

夢だったかのように次の日は何も話さないいつも通りのじぃちゃん。もしかしたらじぃちゃんがあの景色を見せてくれたのかな?鹿児島に連れてきてくれてありがとう、と伝えたかったのかな。

あの星を約13年経った今でも忘れた日はありません。じぃちゃんのよく言ってた、『ヤンバルクイナー、がんばるくいなー』
あの頃はなんやろそれ?と思っていたけど、今はそのじぃちゃんならではの、あのセリフで年齢を重ねたとしても限界はない。一つのことをやり続けるということを教えてくれたじぃちゃん。

いつも夜は星を探すことが日課になった私。
時々大阪でもとおーくのほうにキラキラと動いている星を見たら話かけてしまいます。

『じーちゃん!今仕事終わったで!』

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